【ゲームレビュー】ファイアーエムブレム風花雪月(ネタバレあり)感想
Nintendo Switchのゲーム「ファイアーエムブレム 風花雪月」をプレイした後の感想、
気になった点を、ストーリーのネタバレありでお伝えします。
ネタバレを見たくない方はお気を付けください。
(ネタバレなし版は→こちら)
また、筆者の主観や意見を多く含みますので、参考程度にご覧くださいませ。
プレイ進捗:4周クリア
プレイ時間:300時間程度
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◆良い意味で業が深いストーリー
ストーリーのテーマ と キャラのエピソード が深く、骨の髄まで面白かったです。
気になる新作は事前情報をなるべく閉じてプレイするのですが、
「戦争編」があることや「スカウト」の重要性を知らず、
かつての教え子に手にかけねばならなくなり
良い意味で裏切られ とんでもない罪悪感や無念さ、悲壮感に感動した お話でした。
※各章の感想は記事後半で書きます。
視点の変化や育成強化によって 2周目以降も楽しめるようにつくられていて満足。
ただ、1部(学校編)は基本繰り返しなので、話にも少し変化が欲しいかもとは感じました。
ただストーリーで強制移動があるのですが、突発的に起こる感じはリアリティがありますが、
やり残しがある場合 結局リセットしてやり直すので、控えてほしいかもとは思いました。
◆ 思考の幅が広い戦略システム。一方で…
戦略シミュレーションとしてのシステムも すごく進化しており、
ある一局面でも、そのまま殴るか、戦技を撃つか、はたまた連携で計略を仕掛けるかなど
その場その場で色々な選択がとれて考える甲斐がありました。
一方で、これまでのFEよりも要素が段違いに増えたため、
なかなかすべてを把握しきれなかったです。(高難易度はやれてません…笑)
ただ今の要素は それぞれ役目がしっかりできているので、
「削る」のではなくて、もう少し「まとめ」られると良いのかもしれません。
あと、「FE覚醒」のときから感じていたことなのですが、
物語終盤は スキル「応撃」(距離を無視して反撃)と「特効無効」のオンパレードで、
「遠距離が優位」「飛行には弓」というゲームの基本テクニックが否定されているので、
応撃時は距離に応じて火力が少し下がるとか 特効は半減になるなど、
「プレイヤー側の選択を狭めて奪う」のではなく、
「選択は広いけど埋められていく」ように心がけてほしいと思いました。
初回、弓の「近距離反撃」は隙が無さすぎてズルいと思いました笑
◆ 地形の遊びについての意見
以下のことについては コレと言える正解は無いのですが、
今作は「地形」「位置」を活かした遊びは薄まっているように感じました。
FE if暗夜のようなギミック戦、視界が悪い索敵マップなどは少なめで、
(少なくともノーマルでは)飛行ユニットで縦横無尽に飛び回れ、 わりと単騎で無双できます。
育てたかいがあるのでうれしいのはうれしいですが。
過去作では「砦」や「橋の上」などの要地を抑えたときの頼もしさ、
回避と必殺の高いソードマスターは森で待機させるなどが定石だったので、
少し寂しくは感じました。
例えば「計略」は基本 “相手と隣接することでしか起こせない”ので、
たとえば、その場で敵のヘイト(注意)を稼いで「おとり」的な運用ができるなどの
アクションが今後増えていくなら、位置取りや地形が今よりも一段深くなるかもしれません。
ただ、今作は「育てる」ことに集中しているので、
ゲームのコンセプトには沿っているため そういった思考性が強すぎると、
今度は「育てても活躍できない!意味ないじゃん!」という事態も考えられるため、
一概には言いにくい問題かと思いました。
◆臨場感はFE史上随一!
ボロボロの戦況にかけつける かつての教え子、
グロンダーズの学級戦のビフォー&アフター、
ボス戦中ながれ続ける熱いBGMなど、臨場感は全作一でした。
副官を設定すると しっかり同伴したり計略に参加するのもおもしろい。
また、実用的ではないですが、戦闘マップにて最大までズームインすると
移動スティックで直接キャラクターを動かすモードもあり 臨場感が凄い。
◆各章の感想
のこりは、各章の感想を思い出と共に ざっくばらんに綴っていきます。
1周目 紅花の章
主人公:ベレト(男)
ストーリー分岐での 生徒たちの熱い掌返しに若干の違和感を感じつつも、
いきなりおそらく裏ルート?の帝国編。
帝国が蹂躙していく お話なので三国志感は薄い章でしたが、
独立の裏で闇に蠢くものを牽制したり、フェルディナントが板挟みで悩んだりして
帝国一強の裏で一枚岩でないエピソードは良かったです。
なお、他学級の子はイングリット・リシテア・イグナーツしかスカウトできず、
ほとんど「すべての敵将を倒す」の魔の手に…。
せっかく踊り子にしたフレンも突然いなくなってしまったので
なかなかに衝撃的な一周目でした。
本章ではグロンダーズの会戦は無いですが、似たようなマップはあり、
ドゥドゥーが惨い最期を遂げてしまうのも 後から思うとツライ…
2周目 蒼月の章
主人公:ベレス(女)
紅花とは異なり、王国+教団、帝国、同盟で牽制しあって、しっかり三国志してくれました。
しかし本章の一番の衝撃は 何といっても一部終盤~二部序盤の
ディミトリの豹変っぷりであることでしょう。
目の下のクマや言動に、第一部で好青年だった面影が欠片もなく、
システム上でも味方との支援が禁じられた状態で、
先生と たった二人だけで始まる2部1章は 本当に衝撃的でした。
また、2周目(プレイ時間100超え)で
ようやく初の「グロンダーズの会戦」に辿り着き、本気で驚きました。
このゲームで会戦を見ずに終わる可能性があるのは色んな意味で勿体ない…!
最後に髭のおじさんの説得でディミトリが目を覚ましてくれますが、
髭のおじさんを刺した子は 帝国編で同陣営だったため、ものすごく複雑です…
結末のムービーも思わず声を失ってしまうほど切ない一撃でした。
(紅花で逆の対立を見ているので対比が凄い)
ちなみにカスパルがいれば 死神騎士の正体がわかるのですが、
この周は 唯一 彼だけスカウトに失敗しました…
3周目 翠風の章
主人公:ベレト(男)
万全を期して全員スカウトした3周目。
ストーリーで200時間 もやもやしていた真相に言及してくれて、一気に点が線になり納得しました。
オープニングムービーや、紅花ラストの描写の意味がわかったり
蒼月との対比が見れたりと 本章以外との関連も楽しめました。
色んな方の感想にも書かれてますが、本章が一番真相に近く、後腐れないエンディングに思えます。
ラスボスとの決戦ムービーでの クロードの語りと、先生との連携が格好良すぎる…!
また、これまでのストーリーが絶望つづきだったので
クロードとヒルダの前向きさに大分救われました。
ただそれでも、帝国決戦後のムービーは辛いものがありました。
(一周目ベレトで帝国編やったのもあり…)
あとシャンバラの戦いの世界観は賛否ありそうですが 異質感という意味では随一。
DLC 煤闇の章
サイドストーリーである「煤闇の章」では指導要素がないため、
ある種「古風なファイアーエムブレム」が楽しめます。
内容は、隠された第4の学級と、ジェラルトさん回りの秘話が聞けるお話。
本章は短めで、クリアすると 新キャラや新職業が本編に増えますので
周回がマンネリ化してきたと思った時 やるのがおすすめです!
4周目 銀雪の章
主人公:ベレス(女)
攻略マップは 翠風と大体は同じですが、
教団側のメンバーに焦点があたり、主人公の生い立ちや、
セテスやフレンの秘密など 明言されていなかった最後の謎が補完されました。
本章では、新しい旗を掲げ「新生軍」を立ち上げて統一国家を目指すのですが…
その過程で 級長たちが全員ボロボロになって いなくなってしまうのに、
最後は あの方と戦わないといけないという ある意味で全滅END…
これがこのルートを選んだ業なのでしょうか。このゲームらしいですが
1周目と全く同じラスボスのはずで、当時 悪者にしか見えなかったのに、
見る視点が変わり背景を知っていると こんなに辛いものでしょうか…
(BGMがテーマなのも切なすぎる)
気になる点や感想を これまでたくさん書きましたが、
それも このゲームに長くハマったがゆえの視点だと思っています。
期間をあけて遊んでも、また世界観にハマってしまう自分がいて、
改めて好きなゲームなんだ、と感じました。
(特に、第二部への切り替わりは 何周やっても痺れました)
ネタバレあり版は以上になります、ありがとうございました。
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